レベッカ 1回目・2018年12月22日(土)昼

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劇場:シアター・ドラマシティ。

キャスト組み合わせ:涼風/大塚。

1幕80分、休憩20分、2幕70分。

 

レ~ベ~ッカ~~、というフレーズが物凄く耳に残ります。

といってもこの作品、レベッカは登場しません。

肖像画はありますが、顔は隠されています。)

この旋律が耳に残るつくりで、屋敷を支配する絶対的な存在というのがよくわかる表現。

 

これを歌うのは、レベッカが結婚する前から仕え、結婚にもついてきて家政婦頭となったダンヴァース夫人。

彼女への心酔が異様なほど。衣裳も暗いし、とにかく怖い。

今回、最後列だったのですが、太い低音がまっすぐ届く涼風さん、怖すぎます。(褒めてます)

すさまじい圧力で劇場全体を満たします。

 

「わたし」は日本版オリジナルキャストの大塚さん。

ちょっと声がお疲れなのか?かすれ気味で残念。

ダンヴァース夫人に追いつめられるシーン、夫人より声が弱くて当然なのですが、ほぼ聴こえなかった・・・。

 

山口さんの紳士らしさ、石川禅さんの実直な親友らしさ、吉野さんの妖しさ

安心して観ていられます。

吉野さん、奇抜な衣装の印象があるのですが、普通のスーツでも十分妖しかったです。

 

怖いんですが、マキシムの姉夫婦(出雲さん&KENTAROさん)やアメリカ・マダムの森クミさんがなごませてくれます。

 

ですが、やっぱり怖い。
炎の中の高笑いといったら・・・。

 

明るく、楽しく、ハッピーとは全く違います。

ストーリーも面白いです。

レベッカの死因が明らかになり、レベッカが何を思ってどう行動してそれがどう作用してそこに至ったのか、展開に目が離せません。

けっこう好みでした。

レベッカ 2018

今更ながら、思い出し。

2008年の初演、2010年の再演は観ておらず、今回が初めて。

まずは基本情報メモ。

 

脚本/歌詞 ミヒャエル・クンツェ

音楽/編曲 シルヴェスター・リーヴァイ

原作 ダフネ・デュ・モーリエ

演出 山田和也

シアタークリエ ミュージカル『レベッカ』

ミュージカル『レベッカ』大阪公演 特設ページ 梅田芸術劇場

www.youtube.com

<あらすじ>公式サイトより

広大な屋敷や土地、“マンダレイ”を所有する上流紳士マキシムと、アメリカ人富豪の世話係の仕事をする「わたし」は、モンテカルロのホテルで出会う。先妻レベッカの事故死の影を引きずるマキシムは、忘れていた心の安らぎを与えてくれた「わたし」を見初め、二人は結婚する。 ハネムーンも終わりマンダレイに着いた二人を出迎える召使いたちの中に、レベッカに幼少時から仕え、彼女亡き今も家政婦頭として屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人がいた。屋敷の中は亡きレベッカの面影が色濃く残っているのだった・・・。

<キャスト>

マキシム・ド・ウィンター 山口祐一郎

「わたし」 大塚千弘平野綾桜井玲香

フランク・クロウリー 石川禅

ジャック・ファヴェル 吉野圭吾

ジュリアン大佐 今拓哉

ベン tekkan

ジャイルズ KENTARO

ベアトリス 出雲綾

ヴァン・ホッパー夫人 森久美子

ダンヴァース夫人 涼風真世保坂知寿

朝隈濯朗 奥山寛 後藤晋彦 武内耕 田中秀哉 福永悠二

池谷祐子 樺島麻美 河合篤子 島田彩 柳本奈都子 山田裕美子

 

実力のあるベテラン揃いで、超安定のキャスト。

原作はゴシック・ロマンス、ミステリ。

ゴシックロマンスとはなんぞやと思って調べてみると

「18世紀後半のイギリスに起こった,主としてゴシック風の建物を背景とし超自然的な怪奇を扱い,恐怖感を売物とする一群の小説」(コトバンク、世界大百科事典 第2版)

なるほど。

レ・ミゼラブル2017年10月8日昼(中日劇場)

レ・ミゼラブル2017(6回目)観てきました。


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初の中日劇場 

http://www.chunichi-theatre.com/index.html

舞台が近いのが良いです。オーケストラピットと客席の間が普通の座席同士の幅ぐらいしかない。奥行も狭いのでしょうか、エポニーヌがオンマイオウンを歌った後、バリケードに向かうところでは、バリケードが舞台奥から出てくると数歩後ずさる感じになりました。15列目でもオフマイクの声も少し聞こえてくる。

ホワイエは狭いですが、劇場外にテーブルとイスがたくさんあります。お弁当や菓子、飲み物も種類が豊富。開演前と幕間では座席内でも飲食可なので、食べる場所に困りません。名古屋土産まで売ってます。遠征の人も便利かも。地下鉄13番出口からすぐで多少の雨なら大丈夫ですし、土地勘のない人でも行きやすいです。

 


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さて、キャストごと。日にちがたって曖昧ですし、アンサンブルさんまで覚えきれてないですが。

吉原バルジャン。(今期4回目)野獣なのに、歌は繊細な上に圧巻の声量。それが成り立つところが素晴らしい。大阪で観た時と違ったところ、バリケード陥落後、皆が亡くなっているのを見て、うめく。エピローグ、歌にならない箇所があり、死期が迫っているのを感じて、グッときます。

岸ジャベ。(今期3回目)俺こそ正義な感じが良い。♪自殺「心が乱れる~」からが特に素晴らしい。♪独白と同じ高さ?

知念ファンテ。(今期2回目)昔のキンキン声が随分落ち着いて、聴きやすい。情が深いファンテーヌ。演技が好きです。♪夢破れて、ロケットを取り出して大切に扱うのが良い。逮捕をバルジャンに救われる時、「工場から追い出させたのは、あなた!」とバルジャンの顔しっかり指さすところが痛い。

ふうかエポ。(今期初)細いっ。新井隆広さんの漫画のエポニーヌみたい。

https://booklive.jp/product/index/title_id/245057/vol_no/001

動きが好き。左腕、モンパルナスに握られると後で思いっきり何度も払う。マリウスに握られるとそっと大切に触れる。マリウス見つけると、身なり整える際、スカートで顔まで拭く。ジャンプしながらのマリウスの背中タッチ。コゼットとマリウスの出会いを見た後、自分の服をじっと見る。♪プリュメ街、マリウスとくるくる回るところ、めっちゃ笑顔。だけどマリウスに投げ出されて立ち尽くす切なさ。内藤マリとのほわほわお花畑感ぴったり。♪恵みの雨、マリの中で一番小柄な印象の内藤マリの腕の中でも小さくて、今にも消え入りそう。マリウスの左腕を掴んで体を起こそうとして起こしきれずに支えてもらう。エピローグ、バルジャンに笑顔。

歌声はデスノートの時と比べてミュージカルよりな発声。♪オン・マイ・オウン「縁などなーい!」など所々で、おぉと思わせてくれます。でも、デスノートの時のヒリヒリした感じがすごかったので、所々ではなく、もっと歌えるはず。実際、♪ワン・デイ・モアで歌声しっかり響いてましたし。2019年もぜひ出て、さらに深めてほしい。

エポのバイトは上手が多いのかな。農場上手前側、工場も上手から2番目ぐらい、♪ラブリィ・レディは上手上階。カーテンコール、コートの裾を持って後ずさったり、スペースがなかったら後ろにぴょんぴょん跳ねる。前にマダムテナが来ると見えなくなり、後ろからひょこっと顔を出す。どれも可愛い。

内藤マリ。(今期4回目)SNSで言われているように、浮かれポンチ感が半端ない。「誰が導くか」大阪より歌が上手くなっている??♪プリュメ街、エポと軽快にくるくる回りながらもエポを投げ出し、その流れのまま「僕は飛ぶよ~」でジャンプしてくるっと回る。マリオジャンプというよりは昇竜拳に見える。あ、マリオの方が可愛いか。♪心は愛にあふれて、「眩しいよ」コゼットとのハーモニーで空に舞い上がりそう。バルジャンの告白、「あの子の為には隠し通さねば」でようやく気付くところが面白い。

清水コゼ。(今期2回目)一挙手一投足が良いです。歌声も素晴らしい。エピローグ、バルジャンが亡くなった後、手紙を読んで握りしめて、大阪で観た前回は「パパ、ありがとう」と言ってましたが、今回は「パパ」としか言っていない。それがむしろ、良かったです。感謝だけではなくて、深い愛情、希望、未来まで感じさせてくれます。

KENTAROテナ。(今期3回目)相変わらず、怖いテナ。小物感があまりない。テナ妻がいなくても、結婚式に行けるぐらいのし上がってそう。

ほのかテナ妻。(今期初)宿屋のテーブル重そう。所々に細かい笑いを入れつつ、歌声もドスをきかせて頑張ってる感じ。テナの尻を叩いて操ってる感はない。決して下手ではなくて、他のテナ妻がすご過ぎるだけ。30周年にこの方がいるのが嬉しい。

上山アンジョ。(今期2回目)熱さはありながらも、落ち着いているアンジョルラス。もうちょっと冷静に立ち回って革命できそうな気がする。2015公演からの続投で安定している。

 大西ガブ。(今期初)全体的には良いです。「黙れー」の熱が弱いなど、ちょっと棒読み調になってしまった所があったのが残念。歌声はぴったり。

 

なんだかんだで、プリンシパルは東京のみだった橋本テナ以外観れて満足。

残すはあと1回。

今回はお初のふうかエポに注目していたので、ラストは改めて全体を観たいな。

 

 <キャスト>(敬称略)

ジャン・バルジャン 吉原光夫

ジャベール 岸祐二

ファンテーヌ 知念里奈

エポニーヌ 唯月ふうか

マリウス 内藤大希

コゼット 清水彩花

テナルディエ KENTARO

マダム・テナルディエ 鈴木ほのか

アンジョルラス 上山竜治

ガブローシュ 大西統眞

リトル・コゼット 山崎瑠奈

リトル・エポニーヌ 井手柚花

司教 中西勝之

工場長 伊藤俊彦

バマタボア 宇部洋之

グランテール 丹宗立峰

フイイ 金子大介

コンブフェール 鎌田誠樹

クールフェラック 持木悠

ジョリ 川島大典

プルベール 立崇なおと

レーグル 深堀景介

バベ 藤田光之

ブリジョン 松村曜生

クラクスー 石飛幸治

モンパルナス 大津裕哉

ファクトリーガール 伊藤美咲

買入屋 廣野有紀

かつら屋 桑原麻希

マダム 柳本奈都子

宿屋の女房 三森千愛

カフェオーナーの妻 篠崎未伶雅

病気の娼婦 石田佳名子

鳩 木南清香

あばずれ 華花

若い娼婦 五條まりな

指揮 若林裕治

レ・ミゼラブル2017パンフの違い

レ・ミゼラブル2017、いよいよ大千穐楽が近づいてきました。

帝国劇場 ミュージカル『レ・ミゼラブル』

というわけで、普段、関西をベースに観劇しているのですが、今回は名古屋まで遠征してきました。(ちなみに「遠征」の定義は個々人によります)

 

行ってみて悩んだのが、プログラム(パンフレット)を買うかどうか?

大阪公演のプログラムは既に持っています。

悩んだ結果、購入しました。

 

さて、大きな違いは2つ でした。(後ろの広告面の違いは除きます)

1つ目、公演会場・期間・主催者の記載が違う。

当然といえば、当然なのですが、表紙、背表紙、1ページ目が違うだけでなく、

背表紙の文字色も違います。中日劇場は赤ですが、フェスティバルホールは青です。

マニアックな方は揃えたくなるのではないでしょうか。

 

2つ目、その劇場での出演予定のない方のキャストプロフィールがない。

大阪公演のパンフには、橋本じゅんさんと唯月ふうかさんのお名前と写真がありません。

名古屋公演のパンフには、橋本じゅんさんと和音美桜さんのお名前と写真がありません。

(体調不良で急遽出演されなかったアンサンブルの方のお名前と写真はあります。)

ということで、橋本じゅんさんは東京公演のパンフにしか載っていないことになります。

但し、後半のステージ写真の方には載っています。

 

あれ、ここでまた悩みが。

ステージ写真の記載が「2017 STAGE PHOTOS」となっています。

東京公演のパンフレット、ステージ写真どうなってるのでしょうか??

博多公演では、出演されなかったキャストの方いるのでしょうか??

 

プログラムお持ちの方、お教えいただけたら幸いです。

RENT2017 1回目その2(キャスト)

楽曲ピックアップの続きは次に。

今回はキャストに関する感想です。(あくまで一個人としての)

 

村井良太マーク

前回の2015年公演からの続投。安定。言葉もはっきりわかりますし、安心して見ていられます。

RENTのきっかけ、「飛んだよ!」が好きです。

客席に背中を向けるシーンがせつない傍観者。

バズラインと契約する時に自ら受話器のコードで首をしめるのが辛い。

その分、WHAT YOU OWNでバズラインを辞めるところがスカッとする。

 

堂珍嘉邦ロジャー

こちらも2015年公演からの続投。CHEMISTRYのイメージが強くて、ロック感が私にとっては弱め。ロジャーの繊細なところには合っています。演技と歌のつながり、歌詞の聴き取りやすさはあと一息ほしい。(ダメと言うわけではないです)

歌はやはりキレイ。今回の青野ミミだとお兄さん感が強かったです。

 

青野紗穂ミミ

今回初参加。東京公演は「いっぱいいっぱいでもう一つ」という感想を某所で見かけたり、東宝の歌唱披露ダイジェストとか、この↓動画を見て心配で、

ミュージカル『RENT』ゲネプロ 2017 村井良大 堂珍嘉邦 - YouTube

期待値低かった(←失礼)のですが、とーっても良かったです。

年齢も19歳で、リアルミミ。若くて真摯に向き合った分、成長したのかも。

歌も上手いし、魂がこもっている。OUT TONIGHTからの流れが特に良い。

久々にANOTHER DAYで泣きました。

テーブルの上でロジャーに向かって歌いかけるところ、他のキャストも2階にいて、一緒に歌いかけるところで震える。

舞台って、基本、下手(客席から見て左)が過去、上手(客席から見て右)が未来を表すことが多いのですが、テーブルの上はさしずめ「現在」。ロジャーは現在の周辺を漂っていて、「現在(今日を生きる)」から呼びかける必死さに心打たれます。

 

光永泰一朗コリンズ

今回初参加。そうとは思えないほど落ち着いている。ほんの少し歌詞がわからないところがある。I'll Cover You - Repriseだけがちょっと物足りないかな~。感情がのって叫ぶような感じになるのが好きなのですが、そんな感じではないので。好みの問題かも。

(歌がまずいわけではなく、過去の米倉利紀さん、TAKEさん、加藤さんがすごかっただけです。)

 

平間壮一エンジェル

2015年からの続投。その間色んな舞台を経験して、どんどん良くなっています。

2015年も良かったですが、それ以上に良かったです。

Today For YouとContactも良いです。

 

上木彩矢モーリーン

2012年からの3期連続。Over The Moonパフォーマンスといい、煽り方といい、ベニーの物真似といい、お尻の出し方(笑)といい、どれをとっても好きです。魅力的でもてるのがよく理解できる。

この人、元々歌手ですよね。歌詞もはっきりわかるし、楽しい!

 

宮本美季ジョアンヌ

2015年からの続投。前回2015年の方が良かったです。カラオケバトルとかで忙しいのでしょうか、声がちょっと枯れ気味ですし、歌詞(言葉)が伝わってきにくい。

We’re OKもギリギリな感じ。

 

NALAWベニー

今回初参加。この方、本当に韓国の方?訛りを全く感じない。歌詞もはっきりと聞き取れる。素晴らしい。

なんだか真面目でシュッとしたベニー。嫌なところがあまり嫌な感じがしない。

 

( アンサンブルさんたちはまた後日。)


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RENT2017 1回目その1(一幕楽曲ピックアップ)

2017年8月17日(木)19時開演 森ノ宮ピロティホール

2012年、2015年に引き続き、オリジナル演出のマイケル・グライフによる新演出版。

オリジナル演出が大好きなのですが、それに近いこの演出も好きです。

(2008年、2010年のエリカ・シュミット演出版には下記の好きなポイントがかなりなかった・・・。)

 

まずは、楽曲ごとの好きなポイント。

と言いながらも、オープニング。

ロジャーだけが出てきて、ギターを少しかき鳴らすと、他のキャストたちが登場。

いよいよ始まるとワクワク。

 

”RENT” 全キャストが出演するパワーあふれる楽曲。

マークの「飛んだよ」から背筋がゾクゾク。舞台上からの音や圧力の本流に圧倒される。個々の細かい動きも気になる。この場面でミミとエンジェルがすれ違いざまににこやかに挨拶を交わしてて友人同士なのがわかり、ジョアンヌやマークの電話相手モーリーンも後ろ向きながらも、ちゃんと電話している。

 

”You Okay,Honey" エンジェルとコリンズが出会う楽曲。

暴漢に襲われたコリンズの膝の傷の手当てをしてあげようとエンジェルが手を伸ばすが、HIVキャリアのコリンズは感染しないよう、自分の手を間に入れて、少し下がって避ける。それに気づいたエンジェルが、「これからライフサポート(自助グループ、サポートグループ、分かち合いの会)に行く。後天性免疫不全症候群の。」と言い、自分も同じであることを伝え、「仲良くなれそう」とウキウキするのがかわいい。

 

”Light My Candle" ミミがロジャーと出会う楽曲。

火を借りにきたミミとロジャーがすぐに惹かれあうが、ロジャーは前の彼女が自殺したショックから抜け出せておらず、HIVキャリアなのもあり、新しい恋に臆病になっている。薬物依存症のサバイバーでもあるロジャーは、ミミの様子を見て、即座に薬物が切れてくると起こる離脱症状(以前の言い方だと禁断症状)が出ていると気づく。一旦立ち去ったミミが再び戻ってくるが、ローソクの火が既に消えていることなんかお構いなし。ドラッグを落としたのでそれに必死。ドラッグ>ローソクになっているので依存症なのがはっきりする。二人で探して、ロジャーが見つけ「キャンディの包み紙」と言ってズボンの右後ろのポケット隠し、ローソクの火を消し、テーブルに腰掛け、見つからないようにする。ここにミミを大切に思い、薬物から抜け出させたい気持ちが表れる。

薬物依存症状が強く出ているミミはロジャーの行動の意味に気づき、ダンスに誘ってロジャーを立たせる。少し踊って、ドラッグを取り返し、ロジャーを突き放す。この流れの一つ一つが面白い。

 

”Today For You" ドラァグクイーンであるエンジェル本領発揮。

歌とダンスのキレが良いととっても楽しい。キャストの力量が問われる。どっちかのキレが悪いともう大変。物語の主題「愛」の象徴であり、愛されキャラであるエンジェルが一番表現されるので、この曲の出来が作品の出来を左右すると言っても過言ではない。一番楽しみな反面、ある意味一番怖い曲。

 

"Tango Maureen" モーリーンの今の恋人ジョアンヌと元の恋人マークのやり取り。

ジョアンヌがモーリーンのステージ設営中。ディレイマシンが壊れ、ジョアンヌには直せない。モーリーンに修理を頼まれたマークが登場。前の恋人を平気で呼ぶモーリーンにジョアンヌはイライラ。「それがモーリーンでしょ」と言い、モーリーンに振り回された経験をマークが語り、ジョアンヌが最初は否定しながらも思い当たるふしを徐々に思い出す。「キスで誤魔化すでしょ。プーキーと呼ばれるでしょ。」と言うマーク。ジョアンヌは「キスは確かに・・・。でもプーキーと呼ばれたことはない!」と信じたい。ディレイマシンが直り、そこにモーリーンからの電話。ジョアンヌが出て「プーキー」と呼ばれる。ウシシと笑うマーク。

 

"Out Tonight" ミミのソロ。魅惑的。

ロジャーを誘うミミが魅力的。途中、髪を振り乱して、銀の粉が舞う。ティンカーベルのオマージュかな(信じる心と魔法の粉があれば飛べる)。その後、弱音もこぼれだすけど、それを振り切って楽しもうと誘いかけるところが良い。

 

"Another Day" 上の楽曲を受けてのロジャーの返事。

すれ違い。断っていて、揺れ動いているけど、ロジャーの気持ちは一つ。ミミに惹かれている。断りながらも、手や指の動きがミミを愛おしんでいる。ドラッグに溺れている

のを非難しているけど、そこしか否定するポイントがないだけ。机の上から誘いかけるミミ、上から他キャストも「今日を生きよう」と声を合わせるところが大好き。

 

"I'll Cover You" エンジェル&コリンズの恋愛最高潮。

ライフサポート帰り。マークと分かれ、エンジェルとコリンズが二人きり。幸せいっぱい。エンジェルの「Noなんて言わせない」がかわいい。

 

"Christmas Bells"  アンサンブル含め、すべてのキャストが登場する楽曲。

ロジャーはミミに断ったことを謝り、改めて食事に誘う。マークはロジャーと一緒にいて、ミミを紹介してもらう。エンジェルとコリンズはマーケットでコリンズのコートを見繕っている。ベニーは電話で妻のアリソンにモーリーンの抗議集会がとうとう開催されることになったことを告げている。アンサンブルキャストはマーケットの物売りになったり、薬物依存症者になったり。ラスト、「ジョアンヌ、ステージはどっち?」とモーリーンが颯爽とセンターに登場。ヘルメットと上着をジョアンヌにバンッと手渡す。とてもかっこよく決まるので、初見時はここで一幕終わりと思った。

 

"Over The Moon" モーリーンのパフォーマンス。

足でスイッチを踏んで映像を切り替えながらの抗議パフォーマンス。ミルクの飲み方とベニーの物真似が楽しい。抗議活動として座り込んでムー(牛の鳴き声)を提案し、集会参加者(客席)を煽る。コーラス&その他サポートのジョアンヌが、タンゴ・モーリーン以降ひっかかりを感じているので、微妙に息が合わない。

 

"La Vie Boheme / I Should Tell You" モーリーンのパフォーマンスの打ち上げ。

ライフカフェで打ち上げするが、抗議対象のベニーとミスター・グレイも店に来ている。ベニーの挑発的な発言に、様々な表現・パフォーマンスで反論するのが面白い。モーリーンのお尻w ジョアンヌは撤収作業をして遅れてライフカフェへ。モーリーン&ジョアンヌ、エンジェル&コリンズの2カップルは、ミスター・グレイに同性愛・両性愛見せつける。ジョアンヌはモーリーンに「あの片付けは?」と言われ渋々戻る。その後も皆の表現は止まらない。ウェイターまでもマリファナを吸い始め、ベニーはウェイターを追いかけまわす。ロジャーはミミを誘ったものの上手く話せない。そこにHIVの薬服用時間を報せるアラームが鳴った瞬間、二人は共に相手もHIVキャリアと知り、ロジャーが作っていた壁が消える。二人で抜け出すのを見つけたマークが二人のコートを手渡すところが好き。傍観者たるマークだからこそできる優しさ。モーリーンはジョアンヌがいない隙に他の女の子とイチャイチャ。再び戻ってきたジョアンヌはその後の広場の様子「警察がなだれこんだけど、皆座ってムームー言ってるだけなの!」と抗議活動の成功を告げ、モーリーンには荷物をまとめて出ていくように伝える。

「メインストリーム(主流)から外れた人たちへ」と告げながら、「全部が全部メインストリームの人なんていない!戦争の反対は平和じゃない、創造だ!自由な人生万歳!」

 

(この曲で手拍子するのはなんか違うと思いながらも、これが日本式だと考えて手拍子)

 

長くなったので以降は次回に。

  

<キャスト>

マーク 村井良太

ロジャー 堂珍嘉邦(Wキャスト)

ミミ 青野紗穂(Wキャスト)

コリンズ 光永泰一朗

エンジェル 平間壮一(Wキャスト)

モーリーン 上木彩矢(Wキャスト)

ジョアンヌ 宮本美季

ベニー NALAW

ゴードン他 新井俊一

アレクシー他 千葉直生

ミセス・コーエン他 小林由佳

ミセス・ジェファーソン他 MARU

ミスター・ジェファーソン他 奈良木浚赫

ミスター・グレイ他 岡本悠紀

スウィング 長尾哲平

 

公式ホームページ

www.tohostage.com

<スタッフ>

演出 マイケル・グライフ MICHAEL GREIF

日本版リステージ アンディ・セニョールJr. ANDY SENOR JR.

訳詞 吉元由美

音楽監督 佐藤真吾

 

RENTあらすじ


RENT 1996 Tony Awards

 

<あらすじ>

若いアーティストたちが集う町、ニューヨークのイースト・ヴィレッジ。

1991年、クリスマス・イヴの夜――。

映像作家志望のマークは、友人で元ロックバンドのボーカル、ロジャーと古いロフトで暮らしている。恋人がエイズに罹り自殺して以来、引きこもり続けているロジャーは、自身もHIVに感染しており、せめて死ぬ前に1曲、後世に残す曲を書きたいともがいている。

夢を追う彼らに金はない。家賃(レント)を滞納し、彼らの元ルームメイトでもある大家のベニーからは家賃を払えと矢の催促。ベニーはロフト付近のホームレスを追いだしてスタジオを建設しようとしていた。これに抗議する集会を開こうとしているのがモーリーン。ベニーはマークたちにモーリーンの集会を中止させるよう迫る。

マークたちの親友コリンズは、暴漢に襲われたところをストリートドラマーのエンジェルに助けられ、共にHIVに感染している2人は瞬く間に惹かれあう。

一方、ロジャーはドラッグ中毒のSMダンサーであるミミと出会い心惹かれるが、新しい恋への一歩を踏み出すことができずにいた。

季節は巡り、彼らの関係も少しずつ変わっていく。

出会い、衝突、葛藤、別れ、そして2度目のクリスマス・イヴ――。

(RENT2017パンフレットより)

 

<スタッフ>

原作・脚本・作詞・作曲・編曲 ジョナサン・ラーソン

監督・演出 マイケル・グライフ